今年一番多かった質問 「リンパ浮腫の手術(LVA)を検討した方がよいですか?」
2023.12.31
私がLVAの検討を行った方が良いかなと思われる患者様は、保存療法がしっかりできているのに蜂窩織炎を繰り返す方と、陰部に浮腫みを感じる方で陰部セルフドレナージや陰部圧迫をしても改善が見られない方。他、患肢が健側より極端に硬いケースや抗生物質を服用し続けないと蜂窩織炎を発症してしまう方などでしょうか。リンパ浮腫は静脈と密接な関係があります。見た目の膨らんだ状態を患者さん自身で受け入れれば放っておいて良いのかというとそうでは無いのが現実。メジャーでの周径サイズ変化とリンパ浮腫状態の変化は、必ずしも一致しません。
LVAを行うには、いくつか基準があります。1番は保存療法(弾性着衣での圧迫療法、スキンケア、ドレナージ、圧迫下での運動、生活上での注意点・・こちらの5つ)ができている事。できていないと、Drより手術をお断りされたケースあり!・・涙。もう一つ。リンパ管とそこをつなぐ静脈が手術できる状態にあるのかどうか。・・ここ大事!こちらに関してははリンパ浮腫専門の形成外科の先生方のご判断!短時間で分かる検査方法もありますし、より詳しく調べる方法もあります。手術するかどうかは別として、ご自身のリンパ管の状態を見てみたい方は当院にご相談ください。
しかし、他の病気治療と同様、リンパ浮腫治療も常に更新されパワーアップしております。また新たな情報も耳にします!
適正な圧力と患肢の状態に合った製品選択をした弾性着衣を着用し、保存療法をしっかりしていれば悪化は最小限に抑えられる事が多いですが、弾性着衣はとても効果がある半面、患肢の状態が変われば弾性着衣も変更しないと大変危険なものとなります。浮腫みが進行しているのに浮腫み始めた当初に用意した着衣を2年も3年も使用していて、着衣が肘の内側・手首・鼠径部や膝裏・足首などが食い込んでいる方々、結構いらっしゃいます。弾性着衣はリンパ浮腫のお薬のようなもの。その為、半年に1度の保険適用です(国が承認しているおおよその買い替え時期)。製品選択は、リンパ浮腫セラピストにご相談のうえ自身で続ける事ができ、効果が期待できる症状に合った製品を選ぶ事をお勧めします。夏向き・夜間 在宅用・周径サイズを小さくする時用・足首用・足や手の指用グローブ・ふくらはぎ用・陰部用・寝たきりの方向き・ストレッチする時用・ラテックスフリーの素材・安価設定の製品・自分で頑張るぞ!セット・・etc。 物価上昇もあり市販の製品のほうが経済的に高くつく事もあります。
自身への治療効果と経済的な事両方向から検討し、生活に取り込める製品を選択してみてはいかがでしょうか。
来年も使い勝手が良く効果のある「私の好きな圧迫材料」。上書きされそうです。